過去の医療相談

肺気腫について

質問
88歳になる私の祖母が、肺気腫にかかり在宅 看護をうけています。 肺気腫の治療方法に「分岐鎖アミノ酸強化エレメンタールダイエット栄養補給療法」とゆう 治療方法があるそうですが、それについてどんな事でも結構ですので、お教えください。 いろいろ調べてみたのですが、全く分かりません。どうぞ宜しくお願いします。
答え
肺気腫症例では蛋白やアミノ酸栄養障害が高率に存在しており呼吸不全の増悪因子ともされています。 これに対して分岐鎖アミノ酸強化エレメンタールダイエット経口栄養補給療法と呼ばれる長い治療法が 行われる様になりました。 分かりやすく言えば,口からアミノ酸を摂取する事ですが他の在宅治療として呼吸困難の強い症例では 在宅酸素療法も併用され,在宅人工呼吸療法と呼ばれています。 他に喀痰の多い症例では体位ドレナージや呼吸運動療法なども大切ですが,個々の症例に対して 症状に応じた組み合わせが行われる事になりますので,在宅の医師ともよくご相談される事を おすすめします。
大変お忙しい中、御回答頂き本当に有り難うございました。大変恐縮ですが、もうひとつ教えて頂けませんでしょうか。現在 、在宅 酸素を6リットル使用しています。吸入液として 主にビソルボンを50%で使用しています。その様な場合でも「分岐鎖アミノ酸・・・」方式は、有効なのでしょうか?又、アミノ酸を摂取するとゆうことは、飲食物から取るとゆう事でしょうか?最近、食欲が旺盛なので今のうちに少しでも栄養を取らせたいと思っております。 2度手間になってしまい申し訳ありません。どうぞ、宜しくお願いします。 三重県四日市市 横井 龍哉
これは、肺気腫に特異的な治療法ではなくて、衰弱を伴う疾患 全般的に補助的な治療法として、栄養補給の一環として 行なわれているものだと思います。 通常の経管栄養用の栄養剤のことです。 (この患者さんの栄養状態についての記載がありませんので この例で適切なものかどうかは判断しかねます・・) 肺気腫の場合、CO2リテンションの起りやすい症例が多く、 そんなに大量の酸素投与をすることは珍しいように思えますが・・ やりすぎると炭酸ガスナルコーシスを起こします。それとも、 高度の肺線維症の合併や、換気血流不均等でも起こっているのでしょうか。 ビソルボンの場合、多少、痰が薄くなって切れやすくなりますが、 生食と、そんなに変わるものではありませんので、私は生食を 使用しており、ビソルボンはほとんど使いません。 私の場合、肺気腫なら気管支拡張作用のある抗コリン剤 (アトロペント、テルシガン)の定期吸入を勧めています。 (苦くて口渇の副作用があり、男性の場合,前立腺肥大があると 排尿困難が起りますので、ケースを選んでになりますが・・) > >その様な場合でも「分岐鎖アミノ酸・・・」方式は、有効なので 食欲旺盛なら、補助栄養の必要は全く無いと思います。 肝硬変でも合併していれば話は別ですが・・ なお、肺気腫による呼吸不全治療のトピックとしては、胸腔鏡下で レーザー照射を行い肺容量の縮小が、残気量を減少させて 呼吸を改善するという、トライアルが行われていますが、 まだ未知のものであり、また、この例では高齢過ぎて、実施不可能と思います。 追伸:この回答はネット友人の村手孝直先生のご好意による回答を転記させて頂きました。 村手先生,お忙しい所,ありがとうございました。