インターネット医療・健康はネットでも守られる

エピローグ インターネットは水や空気のようなもの

インターネットが水や空気のようになりつつあるのです。あることは意識せずとも、な くなると困るほど大切な存在。そういうものになりつつある予感がします。インターネ ットはきわめてデジタルな産物ですが、そこに盛り込まれているのはきわめて人間くさ いものばかりです。 インターネットのがん情報に救われたという人はここに紹介した彼だけではないでしょ う。何千、何万という人が救われたと感じているからこそ、情報は充実し、さらに強力 に多くの人々の人生をサポートしているに違いありません。 インターネットの中は玉石混淆であるとよく言われます。ホームページの中には、子ど もやペットの写真ばかりで埋まっているものも多く見受けられます。それが駄目だとい うのではないのですが、そこには危険性も潜んでいることを知らねばなりません。 子どもの年や名前が不特定多数の人の間に流布する危険性までも現在は考慮しなくては ならなくなっています。

極端なことを言えば、自分の子どもの写真が流出し、海外の幼時ポルノ愛好者の間でリ ンクされている可能性まで考えるべきかもしれません。 インターネットが当たり前の現実となれば、インターネットの中もまた現実の社会を反 映していることは確かなのです。ネットの中だけが、隣人愛に溢れたユートピアだと考 えるのは早計です。ネットという仮想現実だけに捉えられ、現実の社会が見えなくなる としたら、それはもっとも危惧されるところです。 医療においても、インターネット医療はあくまでも医療の一手段に過ぎません。治療を するのも治療されるのも生身の人間なのですから。 インターネットを道具として使いこなしてこそ人間らしく生きられるのではないでしょ うか。 私は自分のホームページに「ヒポクラテスの誓い」を張り付けています。以下がその全 文ですが、自らのモラルの指針としてこれを掲げています。

「ヒポクラテスの誓い」

私はすべての神様に次の約束を誓います。この医術を私に与えて下さった先輩を私の親の如く尊敬します。必要があれば,私財を分けてでも助けます。先輩の子孫は兄弟の様に面倒見,彼らが学ぶことを希望すれば無料でこの医術を教えます。私の持つ医術の知識は書籍や講義を通じ,先輩の息子,また医の規則に基づき約束と誓いで結ばれている弟子らに教え,それ以外の誰にも教えません。私は患者さんにとって有益な治療法を選び,有害な治療法は決して選びません。仮に頼まれても,死に導くような薬は与えません。同様の理由から,人工流産に導く道具は使いません。純粋かつ神聖な気持ちで私の生涯を貫き,治療を続けます。男女や職業の差別は決して致しません。医業を通じ,通じないに関わらず,他人の私生活についての秘密は守ります。この誓いを守り続ける限り,私はいつまでも人の治療を楽しみつつ生き,人から尊敬されると思います。もしもこの誓いを破れば,その反対の運命を辿る事を覚悟します。

翻訳及び文責:高橋 基文

{説明}
ヒポクラテスは紀元前460年頃から375年頃のギリシャの医師です。当時,医術の数々の偉業を成し遂げ,医学の父とも呼ばれました。医師としての倫理観を述べられましたが,医療の発展と共に,価値観は薄らいで来ました。しかし,医師のモラルの指針として私はこれからも大切に守り続けたいと思います。今でも不滅の医学の父であると固く信じています。どんな時代でも何らかの倫理観と指針を私たち医療人は持つべきだと考えるからです。

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