外来の裏話

カルテNo,44 男になりたい

患者
22才の女性
主訴
男になりたいです.
ストーリー
スカ-トがよく似合うかわいい女の子が 「子供の頃から男になりたいと思っていました」と言ったのでびっくり. 医者になって初めて診察する女性から男性への性転換希望者である. 落ち着いて「9月になれば大丈夫でしょう」「知っています,とりあえずこの胸が....」それではご希望は何かと尋ねると「ホルモン注射を打って下さい」 すてに他の医院で打っていたらしい.ホルモン注射の副作用を十分説明し,男性ホルモンを一本打って上げた.
考察
日本でもようやく,遅すぎた感があるが,性転換が認められるようになった. 疾患として認められたのである. 潜在的な患者の数を含めるとかなりいるに違いない. いままで性別は自由に選べなかったのが医学の進歩で可能になったのだ. 生まれながらに不幸な彼らにとっては生まれ変わる事へ喜ばしい朗報である. 好きな人と結婚が恋愛が普通の人と同じように出来るのならそれで良いじゃないか? 戸籍変更などの法的整備も我々の医療レベルに遅れないで欲しい. 医療人としてなにか誇りの様なものを感じるのは私だけだろうか? 泌尿器科,婦人科の諸先輩方!本当にご苦労さまでした. 社会復帰などの問題もあろうがみんなで暖かく見守って上げようではないか?