外来の裏話

カルテNo,43 嫌われる患者さんのタイプ

患者
67才の女性元保険外務員
主訴
肩が凝る,血圧が高い,のとが痛い.膝が痛い,体がだるい
ストーリー
朝一番,大きな声で受付で「今日はシップと風邪薬と電気の治療と採血だけお願いします」すべてのメニュ-はすてに前の日から一人で決めてきたらしい. 「先に診察を受けて下さい」と受付から言われると「悪いけど今日は時間がないから.....」やっと診察室へ案内されると「先生,何か元気の出る点滴でも打って下さいませんか?」 である.「うん,元気の出る点滴ね.もしあれば私が打ってもらいたいですよ」と答えて強ミノの点滴をして帰ってもらった. 診察時間は20分位.帰り際にあの薬もこの薬も受付でしばらくもめていた.
考察
医師法で診察せずに投薬は禁じられている. とにかく,最近このタイプの方が多い. 機械文明が発達し,何でも手に入る時代になった事は認めるが,医療は買い物ではない. 特に退社の前の人,老人医療が始まったばかりの人 ,母子家庭になっている人などに目立つ. 「◯◯さん,それは私のセリフですよ!」と思わず叫びたくなる事が一日に何回あるか. 例えば上記の他に私は気管支がやられていると思います. 抗生物質は要らないと思います. しばらくお酒は飲まない方がいいですよね? レントゲンとって下さい. 肝臓の検査をして下さい. CTの検査をして下さい. 多分2,3日で治ると思います. 知人が脳出血ではないかと言っていた. 今度,薬がなくなったら来て良いでしょう.などなど. もう,医者は要らない.このイスに代わりに座って下さい.私帰りますから勝手に.と言いたい. 検査から診断から診察まですべて勝手に決められるのは良いが,医師の立場も考えてほしい. 保険の使いすぎを防止するためには患者さんの自ら選んだ検査,投薬,治療はすべて自費にしなければならない.