外来の裏話

カルテNo,42 検査結果は教えられません

患者
33才の主婦
主訴
性病の検査
ストーリー
「最近,夫がクラミジアに罹ったので私も全部調べて下さい」と言って来院. 自覚症状は全くない.「保険は効きません」と言うと「エイズの検査は要らない」と言う. 検尿と採血等の所定の検査が終了し,一週間ごの来院を指示した. 一週間後男性から電話で「家内の検査結果を教えて下さい」と言う電話が入った. 「仮にご夫婦でも残念ながらお電話では検査の結果は教えられません」と答えた. 翌日,本人が検査の結果を聞きに来院したが,幸い異常は無かった. 潜伏期間についても説明し,本人はホットしていたが寝不足気味であった.
考察
性病に限らず電話による結果の問い合わせは非常に困るのである. 遠方への出張などやむを得ない場合に限らせていただいているが度を過ぎては不親切と言われ兼ねない. 特にこの様な疾患は三角関係の可能性もあり,電話による回答は避けたい. クラミジアはおおむね長くとも1ヶ月の投薬で完治するのに大騒ぎになりやすい. 病名がまずグロデスクであり,多い割にはあまり知られていない. 二人の同時投薬が必要なのに片方は診察もせずに一方が二人分欲しいとも言う. 二人で仲良く飲むのは勝手だが,一人分しか出せないのである事を分かって欲しい. 混んでいる時に問い合わせの電話がかかってくると大変. カルテ出しから電話内容の記帳まで場合によっては診察に近い手間と暇がかかる. 本人の気持ちからは検査結果を聞きに行くだけという認識もあろうが,大切な診察である.もしかして,電話で結果を聞くだけなら無料と感覚もあるかも知らない. 中には結果をファックスで送って欲しいと言う方もいる. これからはE-mailて゛送って欲しいと言う人も現れるかも知らない. そのときの答えは用意してある. 「ではこれから当院のホ-ム ペ-ジに書いておきますから見て下さい」