外来の裏話

カルテNo,23 そこじゃありません

患者
20才の女子大学生
主訴
おりものが多い
ストーリー
恥ずかしいそうに言う「おりものが多いみたいです」 おりものは性病とは限らない旨説明し診察室へ。 診察後「自分で座薬入れられる?」と聞くと「はい,入れられます」と元気のいい返事。「じゃ,10日分出しておくから今度は10日後に来て下さい」 5日後,不満そうに来院「先生,かえってひどくなりました」 もう一度診察台へ。「本当,治りが悪いね」 検査の結果と薬とは一致しているのに全く効果がない。 「薬を一つ入れておきましょう」と言って入れておいた。 帰りにもう一度問診の時,顔を赤くして「先生,私・・・・・入れる場所を間違えた様です」「何?もしかしてまさかお尻に?」「実は先生,そうだったんです」「それじゃ治らないはずよ」
考察
最近,婦人科の医師は毎日通院させる事が多く,なかなか薬を出して貰えないとの苦情が多い。 そこで,当院では出来るだけ本人に薬を渡している。 座薬にもしっかり膣錠と書いてあるのに座薬イコ-ルお尻と思うらしい。 処方箋が院外になる傾向が増え,薬局から十分説明して貰えない事も原因かも知れない。 以来,座薬はお尻じゃないと説明しているが決まって笑われてしまう。 説明はし過ぎもいけないし,さじ加減が難しい。 一方,自分ではやっぱり入れられないと言って毎日持ってくる人もいる。 また,彼氏に入れて貰う人もいた。 とにかく早く治って欲しいものであるが,お尻には入れないで。