外来の裏話

カルテNo,2 ホモの悩みの解決も医師の役割か?

患者
25才の中性
主訴
ひげをなくしたい,胸を大きくしたい.
ストーリー
最近この主訴の男性が増えてきた.よく聞くとホルモン注射を打って欲しいと言う.
今まで毎週打って貰っていた医院が突然閉院になったらしい.
保険外であるため,一回当たり2000円で二種類の注射を混合で打つことにした.
初日は看護婦さんが「先生,健一さん(仮名)でいいの?」と驚いて聞く.名前と性別にとまどったらしい.
確かにしばらく打ち続けると胸も少し膨らむが,どうしてもひげが薄くならない人がいる.
そこで,レ-ザ-による永久脱毛を試みることにした.
以前,ステロイド治療を続けていたひげの女性が1日ですっかり完治し喜んだ例を思い出した.
ホルモンの治療の副作用として,多毛症がある位だから,この点においては矛盾した治療になってしまうのである.
考察
この様に彼(彼女?)らなりの悩みは多い. 最近ホモの問題が秘かに話題になっているが,海の向こうの話だけではない.彼らは普通に考え,一部を除き,普通に生活している.社会的により認知してあげなければならない.医師として適切な治療かを論じるつもりはない.少なくとも,弱者を手助けする事に過ちがないと信じる.一人でも多くの方が望まれる治療を受け,満足し,ともに喜び合えるのなら良いのではないか?