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4. 出産後、からだの変化はどう変わる


からだの各器官の回復の目安

胎盤が出ると子宮はすぐに縮んで1Kgほどの球体になります。さらに、1週間後には、その半分、2週間後には外から触ってもわからないほどになって、約8週間で妊娠前と同じ50gほどの軽さになります。内部でも産後2、3日で新しい粘膜が再生しはじめ、やはり8週間くらいで元通りになります。お産の時10センチ以上開いて子宮頸管も、4〜6週で元通りに閉じます。
出産後は緩んで傷だらけですが、腫れや傷は1週間で回復し、4週間もすると緩みも妊娠前とほぼ同じに復元します。
子宮を支えていた骨盤内の靱帯は、出産直後は伸びたゴムみたいな状態で、回復には約6週間かかります。産後すぐに動きすぎると伸びたままになり、子宮下垂などの原因となるので注意が必要です。産褥期間中は下半身を冷やさない、おシッコを我慢しない、重いものを持ったりしない、長く歩かない、便秘しないなど注意が必要です。
抜糸は分娩の4、5日後です。順調だとその後、数日で傷が治り、1か月後には元通りになります。
みみずばれのような赤黒い筋はだんだん薄くなり、最後は白っぽくなって目立たなくなりますが、完全には消えないのが妊娠線です。
妊娠中は色素沈着が進んで目立ちましたが、いつの間にか消えていきます。でも、肌のお手入れを怠ると残ることもあるので要注意です。
妊娠中は胎盤から出るホルモンがお乳の分泌を抑えていますが、産後この抑えが消えると同時にプロラクチンというホルモンが分泌され、乳汁産生が始まります。さらに、赤ちゃんが乳首を吸うとこの刺激でオキシトシンというホルモンが働き、お乳が分泌されます。このホルモンは子宮を収縮させるので、母乳を与えることは子宮の回復にもプラスになるのです。
卵巣では分娩終了と同時に新しい卵子が用意されています。しかし、月経開始時期には個人差があるもの。授乳していないと早くて1か月後、授乳していると1年以上無月経の場合もあります。排卵がいつはじまるのかわかりにくいので、妊娠の可能性は、出産直後から考えるべきでしょう。
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悪露の排出と手当

悪露とは、子宮内にたまっていた血液や卵膜などのかけらが膣からの分泌物に混ざって出てくるものをいいます。量が最も多いのが産後3日頃で、その後だんだん色も薄く少量になり、最後はふつうの白いおりもの状になってきて、約3週間ほどで完全になくなります。

退院後もトイレとシャワーの後に必ず消毒綿でふくようにします。必ず尿道から肛門へ向けて1回だけ。逆方向や、2度拭きは、大腸菌などが侵入して産褥熱や膀胱炎の原因にもなるので注意しましょう。
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